皆さんこんにちは、たびブロガーのmiyaです。
本日は、埼玉県春日部市にある「首都圏外郭放水路(しゅとけんがいかくほうすいろ)」について紹介させていただきます。
埼玉県春日部市の地下には広大な空間が存在しており、多数の柱が見られます。
多数の柱が神殿に見えることから、メディアや雑誌で地下神殿と取り上げられています。
洪水を防ぐためになくてはならない場所なので、実際に現場を見て、全貌と役割について調べてきました。
基本情報
住所 | 埼玉県春日部市上金崎720 |
営業時間 | 10:00~16:00 (見学会の最終終了時間は17:00) |
料金 | 見学会は有料(コースによって料金は異なる)、展示室は無料 |
駐車場 | あり |
公式HP | https://gaikaku.jp/ |
その他 | 見学会には4種類のコースがあり、いずれも予約制 コース詳細はこちら |
コース紹介
見学コースは4つあり、すべて事前に予約が必要です。
- 地下神殿コース
定員:50名、所要時間:約55分、料金:1人1000円
神秘的な地下神殿「調圧水槽」が見学できます。 - 立坑体験コース
定員:20名、所要時間:約110分、料金:1人3000円
神秘的な地下神殿「調圧水槽」と巨大竪穴「第1立坑」が見学できます。 - ポンプ堪能コース
定員:20名、所要時間:約100分、料金:1人2500円
「ポンプ室」、特殊ガスタービンの機械部が見学できます。 - インペラ体験コース
定員:20名、所要時間:約110分、料金:1人4000円
調圧水槽最奥部にある巨大なインペラ(羽根車)を見学できます。
今回は地下神殿コースを体験しました。
アクセス
車
江戸川沿いから敷地内に入れます。
駐車場は広く(50台くらい?)、すんなり停められました。
電車
東武アーバンパークライン「南桜井」駅北口から徒歩30分。
バス
東武アーバンパークライン「南桜井」駅北口から出ていますが、曜日と時間が限られます。
駅からバスが出ているのがありがたいですね。
龍Q館
首都圏外郭放水路を見学するには龍Q館に行き、受付を済ませる必要があります。
建物入って左側に受付があります。
事前予約しているので名前を告げると、係員さんから見学会の集合場所の説明がありました。
パンフレット、記念シール、地下神殿カード、緑色のワッペンがもらえます。
ワッペンは服に貼り付けて見学者だとわかるようにしなければなりません。
地下神殿カードは春バージョンをいただきました。
ほかの時期に訪問すると違うデザインなのでしょうか?
龍Q館1Fの壁には、多くの著名人のサインが飾られていました。
周辺のお店では首都圏外郭放水路おもてなし特別メニューが食べられるようです。
地下神殿カレーが気になってしまいました。
首都圏外郭放水路のメカニズム
龍Q館1Fには首都圏外郭放水路のメカニズムが示されていました。
中小河川の洪水を地下に取り込み、江戸川に流すまでの流路が図で描かれていたのでわかりやすかったです。
首都圏外郭放水路は大きく分けて3つの要素で構成されています。
2.水を流す「トンネル」・「調圧水槽」
3.水を排出する「ポンプ設備」
今回見学する地下神殿とは「調圧水槽」のことです。
屋外展示
見学開始の30分前に到着したので屋外展示を見学していきます。
画像は、トンネル工事で使用した泥水式シールドマシンの先端についている面板(カッター部分)です。
実際に見るとかなり大きいです。
最初に立坑を掘り、その後シールドマシンという機械を入れてトンネルを掘っていきます。
先端についているカッターで少しずつ地中を掘り、「セグメント」呼ばれるコンクリートのブロックを組み立てて壁を作りながら進んでいきます。
いざ地下神殿内部へ
受付は龍Q館ですが、見学会の集合場所は少し離れています。
龍Q館の建物をでて右側に進みます。
多目的グラウンドを過ぎればすぐです。
5分前までに集合しておくとよいです。
入口はこちらです。
ドアを開けるとすぐに階段があります。
見学開始の3分前くらいに係員さんからARアプリの紹介がありました。
パンフレットにあるQRコードからダウンロードできます。
見学前にダウンロードしておくと、地下神殿(調圧水槽)内での洪水時の様子をAR(拡張現実)体験できます。
見学開始時間の11:00になると見学時の注意事項が説明され、116段ある階段を降りていきます。
階段を降りるときは、写真や動画の撮影は禁止です。
階段を降りて行くにつれて空気がひんやりしてきました。
調圧水槽内は、本日9℃でした。
地上は約18℃なのでだいぶ涼しいです。
夏場でも調圧水槽内は19℃くらいまでしか上がらないそうです。
時期によって湿度は、80%近くになり、霧がかかることがあるそうです。
ぜひ見てみたいです。
地下に着きました。
えっ( ゚Д゚)
なんだこの神秘的な空間は!
壮大な景色を目の当たりにしました。
階段を降りると、係員さんから調圧水槽についての説明がありました。
説明終了後に約20分間の自由行動が可能です。
柱の上部には定常運転水位と書かれたプレートがあり、この高さを水が超えないようにしています。
柱の下部にはポンプ停止水位と書かれたプレートがあり、これより水位が低くなるとポンプが空運転し、故障につながります。
4台のポンプを使い、水の排出量をうまく調節しています。
柱の上下の色の違いを見ることで、実際に水がどのくらいの高さまで来ているのかがわかると思います。
調圧水槽内は見学範囲が決まっており、ロープがあるところまでしか行けません。
ですので奥のポンプがある方までは見学できません。
ポンプとは反対の第1立坑側は見えます。
調圧水槽内にたまった土砂はどのように掃除するのかというとブルドーザーで掃除します。
なんと天井にブルドーザーを入れる場所がありました!
クレーンで釣って降ろすようです。
これにはびっくりです!
調圧水槽内には1本あたり500トンの柱が59本もあります。
地下水の浮力により調圧水槽自体が浮いてしまわないように巨大な重い柱が何本もあり、重い天井で押さえつけられています。
また、大量の柱には、第1立坑から流れてきた水の勢いを弱めたり、ポンプ緊急停止時の逆流による水圧を調節する働きもあります。
人と比較すると柱の大きさは伝わってくるかもしれません。
2002年に首都圏外郭放水路の第1立坑から第3立坑までが完成してから135回も稼働しています。
水が流れてくるのは、年平均7回程度です。
今までで一番多く放水路に水が入ったのは、2015年9月の鬼怒川が決壊した時だそうです。
自由行動が終了したら、再度係員さんから説明があります。
その後階段を上り、地上に出たところで解散です。
地上では、ブルドーザーを搬入する場所が確認できました。
龍Q館2F展示室
見学会は11:55頃に終了したのですが、龍Q館2Fに展示室があるとのことなのでそちらに向かいました。
2Fに上がる階段の途中に調圧水槽で発掘された貝の化石が展示されていました。
洪水時には土砂とともに貝なども流れ込んでくるのですね。
2Fには首都圏外郭放水路の説明書きや模型がありました。
実際に、立坑の模型に水が入り、江戸川に送られるまでの水の流れを見ることができます。
模型で見るとかなりわかりやすいです。
中川・綾瀬川の流域は昔から浸水被害に悩まされていた地域です。
理由としては下記の2点が挙げられます。
お皿のような低い地形をしています。
・水が流れにくい
河川の勾配が非常に緩やかです。
中央操作室
室内には入ることはできませんが、ガラス越しに中の様子を見学することができます。
平日は基本1人で業務を行っていますが、放水路に水が入ってきた時は8名体制で業務を行うようです。
休日は、別の操作室で放水路内の様子を確認しています。
こちらの中央操作室は、ウルトラマンの撮影現場としても使われました。
まとめ
・首都圏外郭放水路は、洪水を防ぐためになくてはならない施設である
・見学コースが4種類あり、係員さんから首都圏外郭放水路について深く知ることができる
地下神殿コースの見学時間が55分ほどで龍Q館の展示物の見学が約30分だったので計1時間30分ほど見学していました。
このブログを通して、首都圏外郭放水路の役割を少しでも理解し、この施設があることの有難さを感じていただけると幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございます。
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